【FXトレード大全】第17章 経済ニュースを味方につける!ファンダメンタルズ分析と三大指標の見方

テクニカル分析が「過去の値動き」から未来を予測するのに対し、

ファンダメンタルズ分析は、“経済の本質”から相場を読み解く力です。

この章では、FXで重要な「ファンダメンタルズ分析」の基礎と、必ず押さえておきたい三大経済指標を中心に解説します。

1. ファンダメンタルズ分析とは?

ファンダメンタルズ分析とは、通貨の価値に影響を与える経済的・政治的要因を分析する手法です。

主に以下のような要素が関係します

• 金利政策(中央銀行の方針)

• 経済指標(雇用、物価、GDPなど)

• 政治的な安定性

• 国際情勢(戦争・紛争・地政学的リスク)

📌 これらを把握することで、「今後どの通貨が買われそうか/売られそうか」を予測できます。

2. 絶対にチェックすべき“3大経済指標”

ファンダメンタルズの中でも、特にFXに大きなインパクトを与える「三大経済指標」を紹介します。

✅ ① 雇用統計(米・Nonfarm Payrolls)

• 発表タイミング:毎月第1金曜日、日本時間22:30(夏時間は21:30)

• 内容:米国の非農業部門の雇用者数の増減

• 重要性:★★★(最大級)

アメリカの雇用状況は、そのまま経済の健康状態=ドルの強さを表します。

雇用者数が大きく増えていれば、景気が良い→利上げの可能性→ドル買いとなりやすい。

逆に、雇用が減れば利下げの思惑→ドル売りに傾きます。

✅ ② 消費者物価指数(CPI)

• 発表タイミング:月1回、国によって異なる(米国は月中旬)

• 内容:一般消費者が購入する物価の変動(インフレの指標)

• 重要性:★★★

インフレ率を測る最も重要な経済指標。

インフレが高い=物価上昇 → 中央銀行は金利を上げる可能性が高まる(通貨高要因)

逆にインフレが鈍化すれば、利下げの期待→通貨安要因になる。

📌 特に米国CPIはドル相場全体に大きな影響を与えるので注目必須!

✅ ③ 政策金利(FOMC/各国中銀)

• 発表タイミング:定期会合(月1〜2回)

• 内容:中央銀行による金利政策の決定

• 重要性:★★★

金利は通貨の価値そのものを左右する要素です。

高金利通貨は買われやすく、低金利通貨は売られやすい傾向があります。

例えば、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)が利上げを決定すると、ドル買いが強まるのが一般的です。

3. 経済指標の読み方・注意点

ファンダメンタルズ分析において大切なのは、

「結果だけでなく、市場の予想とのギャップ」

を見ることです。

発表結果市場予想為替への影響
結果が予想より良い期待以上の景気回復通貨高になりやすい
結果が予想以下景気悪化の懸念通貨安になりやすい

📌 「予想通りでも値動きがある」場合もあります。

それは、すでに市場が“織り込み済み”だった可能性があるからです。

4. 三大経済指標と主要通貨ペアの値動き傾向

以下に、「市場予想より良い or 悪い結果が出た場合」に、

主要な通貨ペアがどういった動きをするかをまとめました。

4-1. 雇用統計(Nonfarm Payrolls / NFP)

注目通貨ペア:USD/JPY、EUR/USD、GBP/USD など

指標結果USD/JPYEUR/USDGBP/USD
予想より良い
(雇用増)
ドル買い
→上昇(ロング)
ドル買い
下落(ショート)
ドル買い→
下落(ショート)
予想より悪い
(雇用減)
ドル売り
→下落(ショート)
ドル売り
上昇(ロング)
ドル売り
上昇(ロング)

📌 米国の雇用統計は「米ドルの強弱」に直結。

良い結果なら米ドルが買われ、USD/JPYは上昇しやすく、EUR/USD・GBP/USDは下落しやすい傾向にあります。

4-2. 消費者物価指数(CPI)

注目通貨ペア:USD/JPY、EUR/USD、AUD/USD など

指標結果USD/JPYEUR/USDAUD/USD
予想より高い
(インフレ加速)
ドル買い
→ 上昇(ロング)
ドル買い
下落(ショート)
ドル買い
下落(ショート)
予想より低い
(インフレ鈍化)
ドル売り
→ 下落(ショート)
ドル売り
上昇(ロング)
ドル売り
上昇(ロング)

📌 CPIの結果はFRBの利上げ・利下げ判断に強く影響します。

CPIが予想を上回ると、「利上げ継続→ドル買い」の連想で米ドルが買われやすくなります。

4-3. 政策金利(FOMC・ECB・BOE など)

注目通貨ペア:USD/JPY、EUR/USD、GBP/USD など

金利決定USD/JPYEUR/USDGBP/USD
利上げ
(予想通りorサプライズ)
ドル買い
→ 上昇(ロング)
ドル買い
下落(ショート)
ドル買い
下落(ショート)
利下げ
(予想通りorサプライズ)
ドル売り
→ 下落(ショート)
ドル売り
上昇(ロング)
ドル売り
上昇(ロング)

📌 政策金利は「事前の市場予想とのギャップ」によって値動きが大きくなります。

利上げ予想→据え置き=ドル売り、という逆の動きが出る場合もあるので、声明文やパウエル議長の発言なども要チェックです。

4-4. クロス円(例:EUR/JPY・GBP/JPYなど)の動きはどうなる?

米ドルが買われると、リスクオン相場になることが多く、クロス円(EUR/JPY・GBP/JPYなど)も連れ高(ロング)になる傾向があります。

ただし、欧州や英国の独自の指標(ECB政策金利、英CPIなど)がある場合は、それに引っ張られるケースもあるため注意が必要です。

✅ 三大指標ごとの主要通貨ペアの方向性早見表

指標内容結果が良ければ…通貨の反応通貨ペア例
雇用統計米国の雇用状況米景気が良い米ドル買い
(ロング)
USD/JPY 上昇、EUR/USD 下落
CPIインフレ状況利上げ継続の思惑米ドル買い
(ロング)
USD/JPY 上昇、AUD/USD 下落
政策金利利上げ・利下げ判断金利上昇期待米ドル買い
(ロング)
USD/JPY 上昇、GBP/USD 下落

このように、ファンダメンタルズ指標は「予想との乖離」によって相場を大きく動かす要因となります。

値動きの傾向を押さえておくだけでも、ポジションの取り方・リスク管理に大きな差がつくでしょう。

5. ファンダメンタルズの活かし方:初心者向け実践法

初心者のうちは、すべてを読み解こうとする必要はありません

まずは以下のポイントからスタートしましょう。

✅ 初心者の実践ポイント

POINT

経済カレンダーをチェックする習慣をつける

→「指標発表前後はトレードしない」だけでもリスクを大きく下げられる

POINT

三大指標の“前後の動き”を観察してみる

→ 雇用統計やCPI後の値動きをチャートで確認するだけでOK

POINT

重要指標発表前後は、ポジションを減らす・控える

→ スプレッドの拡大や乱高下に巻き込まれるのを防ぐ

6. コピートレードにおけるファンダメンタルズの見方

コピートレードをしている場合でも、指標の前後の値動きは注視すべきです。

• フォローしているトレーダーが指標トレード型か、避けるタイプか確認しておく

FOMCや雇用統計のタイミングでは、大きなドローダウンが出る可能性がある

• 指標発表前後だけは、ポジション状況をチェックする習慣を

📌 「完全放置」はリスクになることもあるため、“経済イベントのタイミング”だけは最低限把握しておきましょう。

まとめ|経済指標を意識するだけで、トレードは大きく変わる

ポイント内容
ファンダメンタルズとは?経済・政治の動向で通貨の価値を分析する手法
三大指標雇用統計、CPI、政策金利(FOMCなど)
初心者向けの活用法カレンダーのチェック、指標後の観察、ポジション調整
コピトレ利用者も要注意指標で大きく損益が動くケースがある

📌 テクニカルとファンダメンタルズは、どちらか片方だけでは不十分です。

両方をバランスよく使うことで、より“精度の高いトレード判断”ができるようになります。

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